日本シリーズ最終戦のセギノールがホームランを打った打席。いっぱい、いっぱいの必死の形相の川上に対して、汗っかきのセギノールはクールな表情で汗一つかいていない。きわどいボールを見極めた後のたった一振りがライトスタンドに消えた。おそらく手ごたえさえ残らなかったと思わせるほど華麗なスイングから生まれたホームランだった。雄叫びをあげてベースを一周したセギノールは集中から解き放たれた興奮で一気に汗を噴出していた。
あれだけの汗をピタリと止めてしまう集中力はすさまじいものですね。スポーツ選手たちの一瞬の集中力というのは間違いなく「美」です。見ているものを震わせます。