東京の代表的な団地として有名だった高島平団地が住人の高齢化とともに限界集落となっている。この現象は現在のマンションブームの未来をそのまま映し出している。宝物でも手にするようにマンションに移り住む人たちは、この現実をどう見たのだろう。
パリに住むことに強くあこがれる理由のひとつに、その住環境がある。
パリの中心部にはマンションなどの住宅施設はほとんどなく、古い歴史を持つアパルトマンを直しながら使っているのだ。5F以上でエレベーターのないアパルトマンも珍しくなく、小さな部屋も数多く存在している。
それでもパリに暮らす人々はこれらの不便だけれど愛すべき古いアパルトマンを自分流にアレンジしながら生活しているのです。この暮らしはとても素敵で、僕にとっては立派なマンションより、ずっと快適なんですね。
アパルトマンのまわりには小さなお店がいっぱいあって、その店は常連さんであふれている。週に数回はどこかで市が立ち、どこも会話がはずんでいる。「人間が暮らしているなあ」と強く感じる街がパリなのです。あまり感じたことはないんだけど、ひょっとしたら自分は人間が大好きなのかもしれない・・・