今夜のNHK教育TV「芸術劇場」で聴いたアルカディ・ヴォロドスというロシア人ピアニストに惹かれた。音楽を知り尽くした聴衆が見守る中、ウィーン楽友協会大ホールで開かれたライブだった。
途中からだったのでシューマン、リストの2曲とアンコールでバッハ、チャイコフスキー、スクリャービンを弾いた。
多彩な音色を紡ぎ出す繊細さと激しく燃え上がるダイナミズムを兼ね備えたテクニシャンで、まるでおもちゃのようにパッセージが流れて来る。
リストでは、おそらく作曲者が望んだ以上のダイナミズムで激しく打鍵するが、シューマンでは生まれたばかりの雛を手の中に包むようにやさしく鍵盤をなでていく。
一番興味深かったのはバッハ。
荘厳かつ耽美な演奏はブレンデルやリヒテルとも違う彼独特の音楽世界だ。一番聴いてみたいのはモーツァルトとバッハかな。
発売されているCDで聞けるモーツァルトは1曲だけだ。何かの機会にモーツァルトとバッハが聞けるといいなあ。